梅雨のジメジメした季節は、身体の重さやだるさ、食欲不振など、さまざまな不調が現れがち。そんな不調の原因を、中国の伝統医学「中医学」では「湿邪(しつじゃ)」と呼びます。この記事では、湿邪の種類(外湿・内湿)による不調の原因と、梅雨を快適に過ごすための食事や生活の工夫を紹介します。
【湿邪とは?梅雨の不調の原因】
湿邪は、梅雨の湿気が原因で起こる体調不良を引き起こす要因。中医学では「外湿(がいしつ)」と「内湿(ないしつ)」の2つに分けられます。
外湿:湿気の多い環境から身体に侵入する湿邪。頭や身体の重さ、むくみ、皮膚トラブル、尿のトラブルなどが特徴。
内湿:胃腸(脾胃)の機能低下により体内で生じる湿邪。食欲不振、下痢、倦怠感などが現れる。
これらの症状は長引きやすいため、早めの対策が重要です!
【外湿対策:湿気をためない身体づくり】
気になる症状
頭や身体が重い
むくみ
皮膚のトラブル(ジュクジュク、かゆみなど)
尿のトラブル(残尿感、排尿痛)
女性の場合、おりものの増加
【改善のポイント】
湿邪は「重い」「濁る」という特徴があり、身体に溜まると不調が悪化します。以下の工夫で毎日少しずつ湿邪を発散しましょう。
利尿作用のある食材:しそ、もやし、春雨、冬瓜、お茶、コーヒー、ココア
香りの良い食材:湿邪を発散させる香りの食材を取り入れる
生活の工夫:通気性の良いコットン下着を選ぶ
舌の苔や口のネバつきに注意(湿邪のサイン)
水分代謝を良くするため、血行促進を意識
【内湿対策:胃腸を整えて湿邪を撃退】
気になる症状
胃もたれ、食欲不振
下痢や軟便
身体の倦怠感、疲労感
顔色のくすみ、舌の腫れ
【改善のポイント】
内湿は胃腸(脾胃)の機能低下が原因。外湿の影響でさらに悪化することも。脾胃を強くし、湿邪を取り除く食事を心がけましょう。
脾胃を元気にする食材:いんげん豆、山芋、大豆製品、蓮の実、栗
脾胃を温める食材:山椒、フェンネル、生姜、ニンニク、キムチ
湿を取り除く食材:はと麦茶、とうもろこし、小豆、鯵(あじ)
調理のコツ:冷たいものは避け、加熱した料理(例:冷奴→湯豆腐)を意識
おすすめのツボ
足の三里:胃腸を強くする(膝の外側の下、指4本分下)
内関穴:ストレス解消、精神安定(手首の内側、指3本分下)
まとめ
梅雨の不調は「湿邪」が原因。外湿・内湿の症状を見極め、食事や生活習慣を工夫することで、ジメジメした季節も快適に過ごせます。利尿作用のある食材や脾胃を整える食事を積極的に取り入れ、ツボ押しや楽しい過ごし方で心身ともに元気に!梅雨を乗り切る小さな工夫で、健康的な毎日を楽しみましょう。
もちろん、鍼灸治療でも気候に負けない身体づくりができますよ!