たまに「この病気の治療はできますか?」「この症状、治りますか?」と問い合わせがくることがありますので書いておこうと思います。
・まずは
「治療そのものはほとんどのものは出来ます。治るかどうかは、実際に診てみないと何とも言えませんし、治らないまでも症状が緩和されることはあります。症状の程度や、その患者さんが置かれている状況や、どの程度通院できるのか等々から、無責任にお答えできません。」
これで「ハッキリしないならいいや」と諦める方もいます。
でも、それは仕方ないと思っています。きっと、病名を聞い段階で「治せる!」断言してくれる他の先生のところに縁があるのかもしれません。
無理に引き留めず、合わないならそれでいいんです。
・実際に院に来てくださったら、問診、体表観察、初回の鍼灸を試してみます。そこで反応を見て、皆さんの状況に合わせた言葉をおかけします。決して「絶対治る!」とは言いません。なぜなら、治療は予測不能な部分があるからです。
でも、誠実に、可能性を共有します。
良い反応が出た場合:
「この反応なら、きちんと通院して生活の工夫(養生)を守っていただければ、今より確実に楽になると思いますよ。」
反応が薄い場合:
「変化がなくても、まずは3回続けてみてください。様子を見ながら調整しましょう。」
悪化の兆しがある場合:
「私の手では難しいかも。専門病院で精密検査をおすすめします。一緒にベストな道を探しましょう。」
伝え方は一人ひとり違いますが、いつも心がけているのは「皆さんの希望を尊重しつつ、現実を伝える」こと。
軽々しい言葉で期待を膨らませて、後でガッカリさせるのは避けたいんです。
・「病院で治らないと言われた」症状が、鍼灸で良くなるケースは?
病院で「これ以上は無理です」と言われて、ショックを受けた方、意外といます。
藁にもすがる思いで鍼灸院を探す——そういう方も多く見受けます。
東洋医学の視点で捉えると、病院の見立てとは違うアプローチが効くんです。
薬を服用すれば、手術すればすぐ変化する、良くなるような治療ではありません。
・西洋医学と東洋医学の違い
西洋医学は「機械論」人体を科学的統計学的に分析、データに基づく統計で判断。
一方、東洋医学は「生気論」(体を生き物全体として捉える)。
今までの生い立ち、生活環境、生活リズム、嗜好などあらゆる観点から病気の起った可能性を探ります。
同じ症状でも、診立てが変わるから病院では変わらなかった結果も変わったりします。