冬の風邪を中医学で解説

2025年12月09日 18:13

冬の訪れとともに、風邪が流行りやすい季節になりましたね。今日は、ブログ向けに中医学の視点から、冬の風邪についてわかりやすく説明します。

中医学は、自然界のバランスを重視し、体内の「気・血・津液」の調和を整える考え方です。
西洋医学とは異なり、症状の原因を「邪気」の侵入として捉え、予防や治療を提案します。
さっそく見ていきましょう!

1. 中医学で風邪はどう捉えられる?
中医学では、風邪を「感冒」と呼びます。特に冬に多い風邪は「風寒型感冒」と分類され、外からの「風邪(ふうじゃ)」と「寒邪(かんじゃ)」という邪気が体に侵入することが原因だと考えられています。これらの邪気は、冬の冷たい風や寒さによって体表から入り込み、体のバランスを崩します。

風邪(ふうじゃ):風のように動き回る邪気で、くしゃみや鼻水、頭痛を引き起こします。
寒邪(かんじゃ):冷えを伴う邪気で、悪寒(おかん:体がぞくぞくする感じ)や発熱、無汗(汗が出ない)などの症状を招きます。

夏の風邪(風熱型感冒)と違い、冬の風邪は「寒さ」が主役。体が冷えやすい人(例:冷え性の人や高齢者)は特に注意が必要です。
中医学の基本は「陰陽五行論」で、冬は「陰」の季節。
体内の「陽気」(温かさや活力)を守ることが大事です。

2. 典型的な症状とその理由
冬の風邪の症状は、邪気の影響で現れます。
主なものは
悪寒と発熱:寒邪が体を冷やし、陽気が寒邪と戦うため反応して熱が出る。
頭痛や関節痛:風邪寒邪が気血の流れを阻害。
鼻づまりや透明な鼻水:肺の機能が寒邪により停滞し、津液(体液)が滞る。
咳やのどの痛み(軽度の場合):寒さが肺の働きを邪魔して動かそうとして咳が出る。寒邪が熱に変わり始めるとのどの痛みとなる。


これらの症状は、体の「衛気(えき)」というバリア機能が弱まると起こりやすくなります。
少し動いただけで汗が出やすい、または何もしていなくてもうっすら汗が出ている時は衛気が弱っています。
衛気は皮膚を守るエネルギーですが、疲労や冬の寒さで消耗しやすいんです。
疲労やストレスが溜まると、邪気が入り込みやすくなるので、生活習慣の見直しが鍵です。

3. 中医学的な予防法:体を「温め・補い・潤す」中医学の強みは、予防重視!
 冬の風邪を防ぐために、以下のポイントを実践しましょう。


体を温める(温補):生姜、ねぎ、にんにくなどの温性食材を摂取。例:生姜湯

腎を養う:冬は腎臓(中医学では生命力の源)が弱まりやすい季節。黒豆、黒ごま、くるみなどの黒い食材で補いましょう。「冬病夏治」という言葉があり、夏に体を整えて冬の病を防ぐ考えもありますが、冬本番でも遅くありません。

乾燥対策(潤す):冬の空気は乾燥し、肺を傷つけやすい。梨や白きくらげのスープで体を潤しましょう。

生活習慣:早寝、首・腰・足を冷やさない服装、適度な運動。


4. 風邪を引いてしまったら?早めの対処が大事! 中医学では、症状に合わせて鍼灸、漢方を用います。例えば風寒型なら、体を温めて汗を出させる「発汗法」。重症化を防ぐために、安静と温かい食事をおすすめします。免疫力が落ちやすい秋冬は、「気」の不足を補うことが重要です。


最後に、中医学は個人の体質(証)に合わせたアプローチが基本。体が熱っぽい人(陽証)と冷えやすい人(陰証)で対応が変わります。気になる方は、中医学に詳しい漢方薬局や鍼灸師に相談してみてくださいね。冬の風邪を中医学で知ることで、毎日の養生が楽しくなるはず! 皆さんも体を大切に、健やかな冬をお過ごしください。

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