中医学では、体を温める薬としてショウガとシナモンがよく使われます。
生姜、乾姜、桂枝、肉桂はどれも辛くて温める性質ですが、加工や部位の違いで作用が変わります。
冷えや胃腸トラブルに合わせて上手に取り入れましょう。
生姜と乾姜は同じショウガの根茎ですが、加工で性質が異なります。
・生姜(新鮮なショウガ)は少し温かく、体の表面の冷えをサッと発散させます。
風邪のひき始めの悪寒や、胃のむかつき・吐き気に効果的。お湯にすりおろしてジンジャーティーにしたり、料理の薬味にどうぞ。
・乾姜(乾燥・加工したショウガ)は大熱性で、内臓の深い冷えを強く温めます。
慢性胃炎、腹痛、下痢に。パウダーをスープや紅茶に加えると、じんわり長く温まります。
桂枝と肉桂は同じシナモンの木から取れますが、部位が違います。
・桂枝(若い枝)は穏やかに温め、体表面や血行を促進。風邪の悪寒、肩こり、関節痛に。
シナモンスティックをお湯で煮出して飲むとリラックス効果も。
・肉桂(樹皮)は熱性が強く、腎の陽気を補い、下半身の深い冷えを温めます。
腰膝の痛み、生理痛、冷え性に。
パウダーをコーヒーやココア、黒糖と一緒にどうぞ。
ポイントは「体質に合わせて選ぶ」こと。風邪対策なら生姜+桂枝、頑固な冷えなら乾姜+肉桂がおすすめ。
熱が上がりすぎないよう少量から始め、体と相談しながら毎日の食卓に取り入れて、冷え知らずの体を目指しましょう!
飲んでみてどこが温まってくるのか比べてみるのもおもしろいですよ。